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槇殿順記念病院の診療の特徴

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体の負担が少ない肺がんの新治療 肺RFA(肺がんに対するラジオ波焼灼治療)

肺がんは悪性腫瘍の死因の第1位です*。胸部高分解能CT(Computed Tomography)の導入により肺がんも早期に発見されるようになりました。治療の第一選択は外科的切除(手術)ですが、高齢や心肺機能低下などにより手術を受けられない場合もあります。アメリカのACCP(American College of Chest Physicians)はハイリスクのT期非小細胞肺癌において手術の替りとなる治療の1つに、肺のラジオ波焼灼療法(以下肺RFA)をガイドラインに加えました**。

  参考文献

肺RFAとは

肺RFAとは、電極針を病変に刺入して肺がんを直接焼灼する非血管系のIVR(画像介在性放射線医療)の手技のことです。現在のところ、保険に収載されていないため、費用は全額自己負担となりますが、今後は肺がん治療の柱の一つとなる可能性も考えられています。

 当院では、2009年1月〜2021年12月までに、肺RFAをのべ70人(原発性、転移性、再発を全て含む)に行っています。

当院における肺RFA

当院では、以下のような場合に肺RFAを行なっています。

  1. (1)外科的手術リスク(高齢、心肺機能低下、全身状態不良など)が高い方
  2. (2)外科的手術も放射線治療も希望されない方
  3. (3)出血傾向のある方(血小板数5万以下、PT-INR1.5以上)

下記のような機器を使用しています。

 

ラジオ波電極針・ラジオ波発生装置

肺RFAのメリット

肺RFAは、以下のようなメリットが挙げられます。


メリット

※一時的な気胸と出血はありますが、術後には元にもどります。

早期肺がんに対する診断の流れ

パターン1CT検査の結果、肺の腫瘍の大きさが10mm以上か、一部もしくは全体が実質性の腫瘍の場合

↓
  がんの可能性が高いので、精密検査を受けていただきます。
  気管支鏡検査
  CTガイド下針生検
 

パターン2CT検査の結果、肺に腫瘍があるといわれて、すりガラス結節の場合

↓
肺野限局性すりガラス結節=pure type GGN(Ground-Glass Opacity Nodule) 早期肺がんの可能性があります。
↓
  ↓
腫瘍の大きさが10mm以上の場合   腫瘍の大きさが10mm以下の場合
がんの可能性が高いので、精密検査を受けていただきます。
  気管支鏡検査
  CTガイド下針生検
  3ヶ月もしくは6ヶ月後に再度肺CTを施行します。
  ↓
 
その上で変化が無ければ…
    12ヶ月後に再度肺CTを施行します。
    増大傾向があったり、別のGGNが出現していたり、GGN内に実質部分が出現していれば…
    がんの可能性が高いので、精密検査を受けていただきます。
  気管支鏡検査
  CTガイド下針生検

肺RFAの実際

患者さまには、まずCT台の上に仰向けもしくはうつぶせで寝ていただきます。CT装置・透視装置を駆使し、リアルタイムでCT画像を観察しながら電極針を病変に刺入します。その後、腫瘍を焼灼して死滅させます。焼灼の時間は、肺がんの大きさ、位置、形態により異なりますが、小さい病変では数分間です。治療の際は、電極針の刺入部に局所麻酔、静脈注射より鎮静・鎮痛剤を使用しますので痛みは軽度であることがほとんどです。

治療後の経過

治療後は軽度の気胸や発熱、疼痛が生じることがありますが、経過良好であれば1泊2日で退院することが可能です。手術とは違い、傷痕はほとんど残りません。退院後は定期的にCT検査にて治療の評価を行います。

症例

肺腺がんに対するRFA治療と経過

82歳 女性

胸部CT検査にて、左肺上葉に13mmx11mm大のpart-solid GGN病変を認めた。

精査の結果、腺がん(adenocarcinoma)の診断であった。 本人の希望により肺RFAを施行した。

術後、がんは経時的に縮小し、線状影のみとなっている。再発の兆候は見られない。

初回CT検査
RFA施行
術後4日目
術後1カ月
術後5カ月
術後1年
術後2年
術後3年
術後4年
術後5年