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尿路上皮がん(腎盂・尿管・膀胱がん)とは

腎盂から尿管、膀胱、尿道の一部へとつながる尿路の内側は尿路上皮(移行上皮)と呼ばれる粘膜でできています。

この細胞から発生するがんを尿路上皮がんといいます。

腎盂・尿管がんは腎実質で作られ排出された尿が最初に流れ込む腎盂と、それを集めて膀胱に運ぶ尿管に発生する

がんで上部尿路上皮がんとも呼びます。その発症頻度は膀胱がんの約1/20と比較的稀です。

腎盂・尿管がんは尿路内の色々な場所に多発しやすいという特徴があります。腎盂と尿管の両方に同時にがんができる場合もあります。また腎盂・尿管がんでは治療後30〜50%程度で、膀胱にがんが発生することが知られています。

腎盂・尿管がんは後述の膀胱がんと比較して診断が非常に難しく、発見時にはすでに進行していることも少なくな

く、治療にしばしば難渋する疾患です。

男女比は2〜4:1で、高齢になるほど発生頻度は高くなり、50〜70歳台に好発します。

 


CT Urography(尿管がん)

尿管鏡(尿管がん)

腎盂造影(腎盂がん)

臓器標本(腎盂がん)

膀胱とは、骨盤内にある臓器で、腎臓で作られた尿が腎盂、尿管を経由して運ばれたのちに、一時的に貯留する一種の袋の役割を持っています。

尿路がん(腎盂・尿管・膀胱)の中で膀胱がんが最も死亡数が多く、7割以上を占めます。

罹患数でも膀胱がんが最も多く、尿路上皮がん全体の約半数を占めています。

年齢別にみた膀胱がんの罹患率は男女とも60歳以降で増加し、40歳未満の若年では低いです。

また男性のほうが女性より膀胱がん罹患率が高く、女性の約4倍です。

 


膀胱鏡

経尿道的膀胱腫瘍切除術後
初期症状としては多くが肉眼的血尿で発見されます。また、がんの進行・増大やその部位からの出血による血液の塊が原因で尿管が閉塞した場合、尿が閉塞部位より下流に流れなくなり上流の腎盂・尿管の拡張がおこります。いわゆる水腎症と呼ばれる状態が急におこるため、がんのある側の腰背部痛や側腹部痛を伴うこともあります。

近年は無症状での発見も増えており、顕微鏡的血尿、腎機能障害、超音波検査などで異常を指摘され、精密検査を受けた結果、腎盂・尿管がんが発見される症例もあります。

当院では腹部超音波検査、CT検査MRI検査、逆行性腎盂・尿管・膀胱造影検査、腎盂尿管鏡検査、膀胱鏡検査などを駆使し、無症状の尿路上皮がんの早期発見に努めています。

 

尿路上皮がんの治療

腎盂・尿管がんに対する治療は、手術療法が主体です。手術はがんが発生した片側の腎臓、尿管および膀胱壁の一部も含めた腎尿管全摘除術、膀胱部分切除術を施行するのが一般的です。当院では腹腔鏡下腎尿管全摘除術を行います。

また膀胱がんに対する治療は、表在性の膀胱がんに対しては経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)を行っています。

がんの浸潤度が高く、TUR-Btで不十分なときには尿路変更術を伴う膀胱全摘術を行っています。

またがんの進行度や患者さんの状態によっては放射線治療、化学療法が必要となる場合もあります。